離乳食を食べない、進まない4つの理由

離乳食をはじめてみたけれど、「食べない、進まない」と困っていませんか?
ママたちが抱える子育てのお悩みの一つが「食」のこと。
その中でも、離乳食期は世の中の多くのママたちは“離乳食の壁“にぶつかっているかと思います。
そこで、今回は離乳食をなぜ食べてくれないの?進まないの?
ということについて、考えられる理由を4つにまとめてみました。

目次

赤ちゃんの準備を整えよう

まず、あげたいなと思っている食材をスムーズに食べられるように、赤ちゃんの口や体の準備ができているでしょうか?
とはいっても準備ってどんな事?と思われる方もいると思います。
以前の
健康ブログにも書いていますのでご参照ください

離乳食をはじめた赤ちゃんは、こころもからだも、まだ食べることは初心者です。
離乳食準備期スムーズにクリアして初期に進んだからといって、いきなりパクパクぱくぱく食べられるわけではありません。
私たち大人とは違うので、何事も少しずつ経験して獲得していくことが大切になります。

そのためには、“食べられるための体”をしっかりと作っておくことが肝心です。
もちろん、食べたそうにしている、食べる意欲があるということも大事ですが、
その前に、食べるためには、私たちは体の様々な筋肉を使っているので、
食べる土台となる“体“が資本となります。

とにかく遊ぶ

体を作ると言っても、わざわざ何かするのではなく、普段の遊びや関りの中でできることがたくさんあります。
仰向けで遊んだり、うつ伏せで遊んだりと
床の上で重力を感じることで、自然と食べるための体の土台ができあがってきます。
体ができてくると同時に、お口の機能も伴っていくので、赤ちゃん時期は
マットなどを敷かない床で遊ぶことおすすめです。

食べないな、進まないなと感じた場合、もし赤ちゃんがバウンサーやベビーベッド、ベビーチェアで過ごすことが日常で多い様でしたら、床で自由に過ごさせてみましょう。

上記のような子育てアイテムは、長時間使用することで、体の使い方を制限してしまうことがあります。
使ってはいけないということではないですが、例えば、バウンサーに座ってる時間がながかったなと感じたら、その倍の時間は床遊びをすることをおすすめします。

また、床遊びで体をたくさん使うと、おなかも空きやすくなるので、自然と”食べたい”という気持ちも生まれやすくなってきます。 食への興味が更に湧いたり、手を伸ばして自分で口に運ぶといった手づかみ食べ(自立の第一歩!)の意欲も促されやすくなります。

赤ちゃんの”今”に合わせよう

たくさん遊ぶし、体は安定してしっかりとしているけど食べない、、、
そんな時は離乳食のやわらかさや大きさなどが、赤ちゃんに合っていないのかもしれません。
食べない進まないの理由の多くは、大人が思っているより【硬すぎる】ということがほとんどです。
まず、食べないなとなったら、今の食形態がまだ今のお口の成長には合っていないのかも?と考えてみて、

お子さんの食べる様子を改めて観察してみましょう。

硬い→合わない→食べられない(食べない)→進まない

結構こんなパターンが多かったりします。
食べないのは食べられない理由があるからです。
ですので、離乳食期の多くは“その子に合ったやわらかさ”が食べる食べないの鍵となると経験上確信しています。

まずは、離乳食を作る際に、“今”の赤ちゃんのお口の機能と体にマッチした、やわらかさを見つけていきましょう。
それには、必ずママやパパ自身のお口の中で、歯を使わず舌と上あごで押しつぶしてみて確認することが必須です。ここは絶対やっていただきたいポイントです。
やわらかさに関しては、ついつい指や竹串などで確認したりしがちですが、
実際にご自身の口で確かめることで、指や竹串では分からなかったやわらかさの加減を知ることができますよ。


ですので、歯で噛んで確認するのではなく、準備期~中期くらいまでは、舌と上あごで難なく押しつぶせる程度、
後期は奥の歯ぐきで押しつぶせる程度で確認していきましょう。
同じ調理の方法や調理時間でも、やわらかさは食材の大きさや種類、シーズンによっても異なります。
離乳食を作ったら、必ず味見も兼ねて毎回チェックしてみてくださいね。

投げたりおとしたり、、、

また、食べないといったお悩みの中で、手づかみ食べをしている赤ちゃんが、食事の際にポイポイ落とす投げて食べてくれないということで、困っているという場合があります。
そんなときは、どうしてもママの気持ちがガクーンと気持ちが下がってしまいますよね。
実はこれも食べてくれないワケの多くが “硬いから”  “自分に合わないから”がほとんどだったりします。
赤ちゃんが判断した理由でやっていることが非常に多いんです。

特に手づかみ食べをしている赤ちゃんは手で触った食材の情報をキャッチして、自分が食べられるかそうでないかを判断の一つとしています。
これは、手づかみ食べをしているからこそ赤ちゃんが身に付けたスキルです。
スプーンで食べさせるスタイルの離乳食が多いと、赤ちゃんは自分で食べられるかどうかを判断するのがちょっと苦手かもしれません。


手づかみはするけれど、ポイポイ床に落としてる子に、試しにやわらかくしたもの出してみたら、もぐもぐと食べてくれたってこともよくあることです。

離乳食はやわらかいものばかりでいいの???

とはいえ、やわらかいものばかりでいいの?と思われる方もいると思います。
硬いものの方が、歯や顎にはいいと見聞きすることもあるかもしれません。
ホワイト歯科クリニックでは、離乳食期は“赤ちゃんの今“に適した状態のものを、現在のお口の機能をふんだんに使って、まずはやわらかいものをしっかりと食べられることが大事と考えています。


その上で必要に応じた形態に変化したり、大きくしたりすることで、かじり取りや舌の押しつぶし食べ、歯ぐきでの噛みつぶし食べができるようになり、乳歯が生えそろった頃には、歯ごたえのあるものや硬いものも奥歯を使ってよく噛めることに繋がっていくと考えるからです。


つまり、ここで大事なのは、硬いものが口の成長によいということだけではないということです。

手づかみ食べしてる赤ちゃんに前歯があれば、確かに前歯をしっかり使ってかじり取りができるかもしれません。
けれど、かじり取った硬いものを、その後、奥歯も生えていないお口の中でつぶすことは可能でしょうか?
押しつぶせないので、吐き出せる子はいいのですが、飲み込めずにお口に中にとどまったままため込んでしまったり、そのままゴクンと飲み込んでしまったりと、一見パクパク食べていても、実際は“食べられていない”ことも多いのです。


ですので、赤ちゃんはお口の中のどこでどんな風に離乳食を食べているか、ママやパパがちょっと知っておいて食べ方の想像をしてみると、今のわが子に合った柔らかさや大きさはこのくらいがちょうどいいんだなということに気づきやすくなると思います。

ちなみに、ホワイト歯科クリニックがお伝えしている食育実践予防歯科®の離乳食では、
ある程度のしっかりしたものや硬さのあるものは、奥歯が生えて、上下の歯がペアになってからとお伝えしています。

ですので、一つの目安になりますが、歯の生えている状況なども日頃からチェックしておくと、奥歯が生えてくる頃に合ったやわらかさの離乳食を作ってあげられますね。
お口のチェックは普段の遊びの中や、歯みがきのタイミングに観察してみるのがおすすめです。

手づかみ食べをしてみよう

離乳食はスプーンで食べさせるイメージがある方も多いと思います。
手づかみ食べをさせたいなと思っていても、まずは準備期からのスプーンで唇を閉じて自分で食べ物を捕らえて口に入れることが大事ですので、離乳食スタート時期はスプーン食べをまずは大事にしていきましょう。
*離乳食準備期についてのブログはこちら
手づかみ食べは赤ちゃんの食べる意欲をグンッと引き出していきますよ!

では、いつから手づかみをさせてみたらいいかについてですが、
一般的には8~9か月頃からと言われていますが、以前のブログでもお伝えしたように、ホワイト歯科クリニックでは月齢でいつからとはしていません。

準備期から初期に移行する過程で、初期からでも、赤ちゃんが目の前の食べ物に興味を持って手を伸ばしてきたら、手づかみ食べのチャンス!
掴まなくても、触った手をお口へ運ぶようであれば、それだけでも赤ちゃんの自分食べ(自食)の発見です。

もちろん、中期後期でまだ手づかみ食べさせてませんっていう場合もあると思います。

けれど、今からでも遅くはありません

中期後期に限らず、どんな時期でも赤ちゃんの食べ方の発見と可能性を広げるきっかけになるので、親子で手づかみ食べにトライしてみましょう。


自食の経験は、赤ちゃんの自分で掴みたい、食べたいという欲求を自分のペースで満たすので、食事に関心を持ち、赤ちゃん自身が食べることを楽しむことに繋がっていきます。
自分で食べてくれることで、ママやパパのお手伝いが減り、赤ちゃんと一緒にご飯を食べたりできるので、離乳食タイムの気持ちにゆとりが生まれますよ。

一口量を経験していく

また、赤ちゃんは手づかみで食べることで、スプーン食べではなかなかできない、自分の「一口量」(口の中で食べ物をつぶして、スムーズに飲み込むことができる量)を経験・学習をしていくことができます
一口量が分かってくると、早食いになりにくくなるので、しっかりと押しつぶしができて満腹感を感じやすくなります。
そうすると、時にはお食事の後半には自分の手で食べなくなることもあります。
そんな時は、スプーンで介助してみて、まだ食べる様子があるか確認してみましょう。
それでも食べない場合、それ以上無理に食べさせる必要は
ありません。
ごはんが残っていても、その時はごちそうさまです。
なぜなら完食を目指すことではないからです。


作ってだしたものをしっかり食べてほしい!


という気持ち、とてもよくわかります。
けれど、離乳食を完食することがゴールではないですし、出したものがその子の適度な量とは限りません。
食べ残ったら、残った分は今日のわが子には必要なかった量と捉え、もし、次の日も同じような量を出しても同じような量で残るならば、この量は多すぎるんだなということで、少しずつわが子の適量が見えてくると思います。
ですので、料理本やネットレシピに載っている「〇か月だから〇グラム」などのレシピの量を食べさせるのは、その子の必要な量ではないので、あまりおすすめしていません。

一方、スプーンで食べさせられている赤ちゃんは、手づかみによる自食経験が少なくなってしまうことで、食べるというよりも、スプーンで入ってきたものを“おなかに入れる作業”になってしまってることも少なくはありません。
そのため、食への関心が薄く食べない子もいれば、満腹感を得にくいので、まだ食べるの?ってくらいに食べすぎてしまう子もいます

どちらのタイプにせよ、食べる適量を赤ちゃん自身が自分である程度知ることができるように、ママやパパは調理の工夫や食べるお手伝いをちょこっとしながら、食べさせるのではなく、お子さんの手づかみ食べの意欲を育てていくつもりで離乳食サポートをしていきましょう。

食べる道具は手

離乳食を進めているとスプーンを自分で持ちたがる子がいます。
親が使っていれば尚更持ちたがるかもしれませんね。
持たせてみても構いませんが、離乳食期は手の骨や筋肉が私たち大人と同じような作りにはなっていないので、
実はまだまだ上手には使えません。

どちらかというと、食べ物よりもスプーンに意識が向いてしまうことが多いので、目の前の食事への集中が薄れたり、スプーンがうまくできないことへのもどかしさから、ぐずってしまって食べてくれなかったり。。。
そんな様子のお子さんには、スプーンは初めから出さないといった選択も大事になります。

スプーンで食べてくれるとなんだ成長した気がしてうれしいものですが、手づかみ食べをしていくと手の機能が発達して更に食具の使い方が上手に使えるようになってくるので、スプーンだけでなくその先に待っているお箸や鉛筆などが上手に使えるようになってきます。

手も食べるための道具です。
【手は突き出た脳】ともいわれているくらい、触ること、使うこと様々な学習をしていきます。

手づかみ食べは唯一五感をフルに使う場面です。
毎食でなくてもいいですので、ママやパパの余裕がある時に一日に一回は手づかみ食べをおおいにできる離乳食タイムがあるといいですね。

離乳食のタイミングを見直してみよう

離乳食を食べるタイミングが、赤ちゃんが疲れている時、眠たそうにしている時、目覚めたての時などは、
いざ離乳食を出してみても食べない、食べ進まない時があります。
私たち大人もそんなタイミングに食事をだされても、食べる気持ちにならないですよね。

赤ちゃんもそれは同じです。
では、どんなタイミングだったら食べたい気持ちになるでしょうか?

おそらく
空腹を感じられてこそだと思います。

もし、離乳食が始まってからも授乳が頻回だったり、離乳食を食べていても量が以前と変わらずだったりすると、なんとなくおなかが満たされていて、赤ちゃんの空腹がうまくつくられていないということも考えられます。
多くが離乳食の直後にすぐに授乳をしがちですが、そんなパターンも原因のひとつだったりすることも。。。

空腹は最高の調味料


「うちの子食べないんです。。」

と悩まれるママから授乳の状況を聞くと、離乳食直後の授乳をされている方が多く、更に頻回授乳傾向。
そんな時は、授乳タイミングを見直してもらったり、赤ちゃんの飲むと食べるをママやパパが意識して切り分けてもらうことをしてもらった結果、離乳食を食べるようになったというご家庭も少なくはありません。

赤ちゃんにとって、食べるよりも、飲む方がお口の使い方が慣れているので、離乳食の後に授乳が待っていることが分かっていれば、食べてくれないといった現象が起こりやすくなります。


食べにくい硬さや形態であれば、おっぱいやミルクをすぐ飲みたくなるのは、尚更かもしれません。
授乳や離乳食を通して、赤ちゃんの生活リズムを整えていくことは、赤ちゃんの空腹を作ってあげることに繋がります。

そのリズムの中で、おなかが空いたときに食べるといったことを覚えていくのです。

空腹は最高の調味料とも言います。
まずは今現在、空腹が作られているか改めて、授乳と離乳食の関係を見直してみましょう。
育児記録を付けていると見直ししやすいですね。


とはいっても、授乳と離乳食のバランスをどのようにしたらいいか悩まれるママもいると思います。

離乳食が始まれば食べる量の分、少なからずも母乳やミルクの回数はある程度だんだんと減っていくので、ホワイト歯科クリニックでは離乳食期間時の授乳に関しては、離乳食も2回食あたりになる頃には、離乳食直後の授乳をしないことを推奨しています。

なぜなら、赤ちゃんは食べる経験を積み上げてる最中なので、先程お伝えしたように、しっかりと「食べる」と「(液体を」飲む」ことのお口の機能の使い分けてほしいと考えているからです。

飲むことと(適したものを)食べることが分かって使い分けができてくると、赤ちゃんの食べる意欲や食べ方も変わってくるので、離乳食もスムーズに進みやすくなりますし、それに伴って卒乳(当院では授乳終了と表現しています)もしやすくなります。

まとめ

食べることがうまくいかない時は、今がその食材を食べられる時ではないのかもしれません。
体とお口の成長がマッチしていないのかもしれません。
やわらかさが合ってないだけなのかもしれません。
空腹が十分でなかったり、タイミングがあっていないのかもしれません。


そんな風に、赤ちゃん一人一人に様々な理由が考えられます。
もし、食べないなと感じたら、まずは今回お伝えした4つのことを一つ一つ試して探ってみましょう。

時には行きつ戻りつすることが、離乳食をスムーズに進められる秘訣です。
離乳食で困った時には一旦待ってみたり、前の段階に戻ってみると、案外自然と解決していったりします。
それでも解決しない時や少しでも不安な時は、ホワイト歯科クリニックのオンライン離乳食教室や離乳食相談(対面)などでご相談ください。


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