離乳食はいつからはじめるの?

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赤ちゃんが5・6カ月になると、そろそろ離乳食を始めようかなと考えるママも多いかと思います。
けれど、初めてのお子さんの場合、いつごろ、どのようにスタートして進めていけば良いか分からず不安になります
よね。

そこで今回は、離乳食をいつからはじめたらよいか、どんなものから食べたらよいかなど、当院がお伝えしている離乳食の始め方ついてご紹介します。
そろそろ離乳食を始めたいなと考えているママは、ぜひ参考にしてみていただけたらと思います。

目次

離乳食はいつから?

・離乳食を始めるのは赤ちゃんのからだの準備ができてから
一般的に離乳食をスタートする月齢の目安の多くは、5・6カ月頃から始めましょうと言われています。
5か月から始めたいと思うと4か月の終わりから、先行して離乳食の練習をするという方も少なくはありません。

しかし、実は月齢で始めてしまうと、赤ちゃんが食べるために必要な、お口の機能や体の発達が食べる体の準備
としてまだ伴っていないことが多くみられます。

ですので、体や口に注目してぜひわが子の成長に合った離乳食の“ 始めどき“を見つけていきましょう。
体と口が食べる動きにマッチしていると、赤ちゃんも食べやすく、離乳食がスムーズに進むポイントにもなります。


・離乳食を始める目安
当院では月齢で始める目安をお伝えしていません。                                                 
なぜなら、食べるためには口の確認も大事ですが、それ以前に食べることができる体になっているかが大切と考えているからです。
では、一体何を目安にしているかというと、まずは体の準備ができているかな?
ということで、体の状態の確認をしています。

・首がすわっていること
・大人が床に座らせたら、自分で手をついて座り続けられること
・腰がすわっていること

*すわっているとは人や物の支えなしで自分で安定した状態を保てていることです

首がすわる=寝返りができていると捉えていただくとより分かりやすいかもしれません。
前後は大丈夫だけど、横にはグラついて弱いという場合もありますので、座ったらしばらくの間、床に座った様子をよく観察してみましょう。


ちなみに、ハマって座れてしまうタイプのベビーチェアは一見、首や腰がすわっているように見えますが、ギプスのように体の動きが制限されているに近い状態です。
体が緊張してしまうため、食べる椅子としては向いていません。
座れるかの確認は床の上で行うのが一番分かりやすいです。


手をついて座れる状態を犬座りと呼んでいます。
読んで字の通り、犬がお座りをするように、両手を床についている状態をいいます。
中には手をついて体を支えていても、徐々に前に倒れてきたり、潰れるような角度で維持ができる子もいますが、
その場合も腰すわりにまだ無理があると考えられます。

グラつきなどの不安定さがある場合も含めて、数日おいて再びチェックしながら、始め時を見極めていきましょう。

ちなみに離乳食が始まるまでは、特に床でのうつ伏せ遊びをたくさんしていくと、自然と食べるための体作りに繋がっていくので、普段から床で遊ぶことはおすすめです♪
あお向けて手を伸ばしたり、体をひねったり、うつ伏せで遊ぶことなど、重力を感じる遊びを意識してお子様との遊びに関わってみましょう。
再びチェックする機関は“様子見“ではなく、遊んで体をどんどん整えていきましょう。

手づかみ食べに促されることも、そんな遊びの中で実はたくさんしています。

・離乳食はお口の機能が大事
赤ちゃんは誕生後から、おっぱいやミルクを飲むことは本能的に知っています。
けれど食べることは知りません。
つまり、液体を飲むお口の使い方は分かるけれど、個体を食べるお口の使い方は分からない状態です。

そこで、離乳食を始める前にお口の様子も確認しておく必要があります。
体の準備がOKとなったら、 合わせてお口の様子もチェックしてみましょう。


・唇が閉じている
・うつ伏せの時によだれが垂れない
・カラのスプーンを舌で押し出しがない


唇を閉じるということは、離乳食を食べるために体が整ってきているという合図でもあります。
もし、お口が開いてしまうようならば、体の方がまだ整っていないということになります。
よだれが垂れてしまう場合も同様です。
よだれが増えると食べる目安ともいいますが、実は口を閉じて飲み込めていないだけなのかもしれません。

うつ伏せの状態で唇を閉じて唾液をごっくんすることができていれば準備OKです!
準備ができたらカラのスプーンを試しに下唇に置いてみましょう。

ベロで押し出したりするようであれば、もう少し待って再び確認することが大事です。

今回あげた、合計6つの体と口の条件に確実に当てはまっているかを確認して、OKであれば
そのまま離乳食にチャレンジしてみてもよいでしょう。

「目安に当てはまる気もするけれど、、、」

など不安になったらまだ始めなくてOKです。
きっとその判断は正しいです。

急いでスタートする必要はありません。
何事も準備が大切ですので、行きつ戻りつしながら本格的なスタートまで、体と口の準備をしていきましょう。
当院では、この本格的に食べる前の時期を「手づかみ離乳食準備期」と呼んでいます。

初めての食材

・おもゆで準備
体とお口の両方の準備がOKとなったら、本格的な1回食の前に“おもゆ”を使って食べる練習をしましょう。
おもゆは10倍粥のうわずみです。

「最初は10倍粥じゃないの?」

と思う方も多いと思います。
育児雑誌に載っていたり、保健センターで教えてもらったりでそう思う方も多いのではないでしょうか?
10倍粥って固形なんです。 今まで、おっぱいやミルクのような液体の飲み方しか知らなかった赤ちゃんにとって、固形の10倍粥は食べ方が分からず、ハードルが高いもの。

当院では、食べる準備として液状であるおもゆから始めることが、赤ちゃんにとって必要な経験と考え、離乳食をお伝えしています。
赤ちゃんはおもゆを通じて次のような経験をしていきます。


・取り込み方を知る
・飲み込み方を知る

・味を知る


取り込み方、飲み込み方はおっぱいやミルクを飲む時とは異なる口の使い方になります。

・おもゆはサラサラとトロトロを
おもゆは、液状のサラサラおもゆから始めましょう。
形状がおっぱいやミルクにほぼ近いので違和感なくゴックンしやすくなります。サラサラおもゆを舌を出すことなくスムーズなゴックンできたら、次はトロトロおもゆを体験してもらいましょう。
少しとろみが出ると赤ちゃんにとっては口の中が重たくなるので、飲み込みにくいかもしれません


舌がでる子、チュッチュ、チュッチュとまるでおっぱいを吸うようなお口の動きをする子もいます。
そんな様子がある時は、まだうまく飲み込めていないので、いったんサラサラに戻るか、今の状態のトロトロをサラトロの中間に調整してみましょう。

お鍋や炊飯器などでおかゆをつくっておもゆを採ってもいいですが、米粉を使った簡単おもゆは時短にもなるのでやりやすい方で作ってみてください。

*米粉は生米ですので、米粉を使用して作る際は必ず鍋で2分以上の火をかけて調理してください
 熱湯で米粉を溶くのは厳禁です  
 日本米粉協会に米粉の使用調理については確認をとったうえでお伝えしています

スプーンサポートのポイント

・スプーンは薄く平たいタイプ
おもゆを与える時は離乳食用のスプーンを使います。
スプーンひとつで、赤ちゃんの食べ方が変わると言っても過言ではないくらいです。
世の中にはたくさんの離乳食スプーンがでていますが、どれを使ってもいいというわけではありません。
なるべく赤ちゃんのお口に合った、食べることを邪魔しないスプーンを選んでいただきたいと思います。


赤ちゃんは口を閉じて食べることを知りません。
そのため、厚みのあるスプーンや深さのあるスプーンでは食べにくくなってしまいます。
ですので、唇を閉じやすく、閉じた感覚を掴みやすい、薄く平たいタイプを選ぶとよいでしょう。
持ち手部分はストレートのものがサポートしやすい形です。


・大きさは口幅の2/3
スプーン選びで薄さの次に大事なのは、大きさです。
離乳食スプーンとはいっても大きさも様々。
割と大きめなものもあれは、小さいものもあります。
お店で見たら、きっとどれがいいのか迷ってしまいますね。
多くの離乳食アドバイスの場面では口幅の2/3程度がいいとされています。
このことは、当院で今まで離乳食検証をしてきても、同じように思いますので、お子さんの口幅2/3を目安としてもよいでしょう。
大きいものは食べにそうかなと想像できるかもしれませんが、特に準備期や初期の赤ちゃんにとって小さすぎても食べにくくなってしまいます。

・竹や木を選ぼう
素材により赤ちゃんの食べやすさが変わります。
シリコン・プラスチック・木・竹・金属がありますが、当院でおすすめするのは天然素材のもの。
唇が敏感な赤ちゃんにとって、感触が柔らかいということもありますが、
木や竹は薄く平たく加工することが可能な素材だからです。
他の素材をあまりおすすめしない理由としては食べにくさを感じやすいから。

・シリコン・・・スプーンをひく時の唇の引っ掛かりがある。薄いものもあるが閉じた時にしなる
・プラスチック・・・薄いと破折してしまうので、ほぼ厚みがあるものが多いので唇が閉じにくい
・金属・・・薄いもの出てきているが、唇に金属が当たる感覚を嫌がる子もいる

唇を閉じる感覚を経験する

当院はお口のトラブルに悩まないお口の育成を目指して、初期からの手づかみ離乳食を推奨していますが、
手づかみであっても準備期には必ずスプーンお伝えしています。
手づかみ経験にも欠かせない、唇を閉じるということを覚えてもらうためです。
食べることは経験の積み上げなので、まだ飲むことしか知らない赤ちゃんには欠かせないスプーン体験なのです。


また、今後手づかみ食べをしてくれても、ずっと集中して赤ちゃんだけで食べ続けることはできません。
集中が途切れたり、疲れたりして食べる勢いが落ちてくることもあります。
そんな時に、食べるお手伝いとしてスプーンサポートは必用になってきます。

唇を閉じることは単に離乳食を食べるということだけでなく、
香りや、味わい、舌触りなど感覚をたくさん使うことにもなり、今後の手づかみ食べへの興味や意欲を促す入口にもなります。


さらに赤ちゃんが自分の一口量を学び、詰め込み食べや丸のみ、早食いをしにくくする効果もあります。

上手にゴックンするために

・スプーンサポートのコツ
椅子に座った状態で行います。
もし、椅子に座るのを嫌がる場合、はじめのうちはお顔が見えるようにお膝の上で座って行ってみてもOKです。
その際、手で赤ちゃんの脇を抱えた状態で座らせてみましょう。
だたし、少しスプーンのやりにくさはでるので、パートナーがいる時に一緒に行ってみるのがよいと思います。

赤ちゃんがおもゆをパクっとして上手にゴックンして飲み込むには、親のちょっとしたコツが必要です。


視線を合わせてスプーンを見せる
見たら、下唇にスプーンをピタっと置く
③上唇が閉じるのを待つ
④閉じたらスッとまっすぐスプーンを抜く

最初のうちはなかなか上唇が下りてこないで、お口が空いたままの子もいます。
そんな時、ついついお口の中におもゆを流し込んだり、スプーンを口の中に入れてしまうのはNG。
むせたり、無理に飲みこんでしまう癖がついてしまいますのでご注意ください。
そのまま閉じるまで待ちましょう。


上手にゴックンするためコツは、スプーンを赤ちゃんが見たらピタッ、パクッ、スッ。
そして、必ずお口の中がなくなってから次の一口を運ぶことは食べるタイミングを知るためにも大事なことです。
スプーンを上手に使って、準備期で親子の阿吽の呼吸を掴んでみてくださいね。

まとめ

赤ちゃんは食べることの初心者です。
この時期は初期(1回食)に向けた準備なので、おもゆを毎日行う必要はありません。
親子のペースで、離乳食のはじめ時を見極めていくことを大事にしてください。

準備期を行っていると、食べるためのお口と体が整っているので初期にスムーズに入りやすくなり、初期の期間がキュッと短くなります。
これは手づかみ離乳食でなくとも、一般的に多く行われてきた離乳食でも同じことが言えます。
違うのは、“自分で食べる”“食べさせられる離乳食“かです。


どちらも月齢ではなく、わが子の体と口の発達に合わせていくと、離乳食がとてもスムーズになります。
生まれたサイズや、授乳量も違えば、日々の活動量も違うので、お子さんによって離乳食のはじめどきは様々。
5、6カ月になったからといって、よーいドンにはなりません。
もちろんそれより早くのスタートもありません。

初期が長くてお悩みというママも多いので、離乳食を始めようかなと思ったら、食へのファーストステップでもある離乳食準備期から始めてみてはいかがでしょうか?

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